SSLとは?httpsとhttpの違いと、サイトのSSL化について解説
2023.04.06
現代のウェブサイトでは、SSLを導入しURLをhttps化することが一般的になりました。
SSLは、ウェブサイトのセキュリティを向上させ、ユーザーに安心して情報を提供できるようにしてくれます。
しかし、SSLを導入しhttps化する理由や、どのように導入するのかについては、知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、httpとhttpsの違い、SSLとは何か、そしてSSLを導入することのメリットや方法について解説します。
あなたのウェブサイトをより安全にするために、ぜひ参考にしてみてください。
httpとhttpsの違い
http(Hypertext Transfer Protocol)とhttps(Hytertext Transfer Protocol Secure)の違いは通信が暗号化されていないか暗号化されているかの違いとなり、httpsは暗号化されているものになります。
httpとhttpsは、ウェブサイトの通信プロトコルの種類で、ウェブサイトとユーザーのブラウザがデータをやり取りするための規格のことをいいます。
httpは、通信内容が暗号化されていないため、ウェブサイトとユーザーのブラウザ間でやり取りされる情報が傍受される危険性があります。たとえば、ウェブサイトに入力されたパスワードやクレジットカード番号などの個人情報が、第三者に盗まれる可能性があるのです。
一方、httpsは、通信内容が暗号化された安全な通信プロトコルです。ウェブサイトとユーザーのブラウザ間でやり取りされる情報は、第三者に万が一、傍受されたとしても解読できないようになっています。つまり、httpsを導入することで、ウェブサイトのセキュリティが向上し、個人情報漏洩のリスクを大幅に低減できるということです。
httpsは、ウェブサイトを運営する場合にはほぼ必須のセキュリティ対策となっています。
SSLとは?
SSL(Secure Sockets Layer)は、ウェブサイトとユーザーのブラウザ間でデータを暗号化する技術のことです。これにより、ウェブサイトとユーザー間で送受信される情報を第三者に傍受されても読み取ることができなくなります。
SSLによる暗号化は、公開鍵暗号化方式を用いて行われます。公開鍵暗号化方式では、暗号化に使う秘密鍵と、復号に使う公開鍵のペアを生成します。ウェブサイトは、ユーザーがアクセスするための公開鍵を事前に公開します。そして、ユーザーがウェブサイトにアクセスするときには、ウェブサイトの公開鍵を使って情報を暗号化し、送信します。ウェブサイト側は、秘密鍵を使って暗号化された情報を復号し、ユーザーからの情報を取得することができます。
SSLによる暗号化は、ウェブサイトのセキュリティを高め、個人情報やクレジットカード情報などの重要な情報を保護するために不可欠なものです。
SSLのメリット
SSLを導入することで得られるメリットは、主に以下の4つが挙げられます。
- 機密性の確保
- 認証性の確保
- SEOに対するプラスの影響
- 信頼性の向上
これらのメリットからもわかるように、SSLはウェブサイトを運営する上で非常に重要なセキュリティ対策です。
1つずつ具体的に解説します。
1. 機密性の確保
SSLによる暗号化によって、ウェブサイトとユーザー間でやり取りされる情報が暗号化され、第三者に傍受されても解読することができなくなります。
これによって、ウェブサイトに入力された大事な情報が盗まれる危険性が大幅に低減されます。
2. 認証性の確保
SSLには認証機能があります。
ウェブサイトがSSL証明書を取得することで、訪問者が正規のウェブサイトであることを確認できます。
これによって、フィッシング詐欺や偽のウェブサイトによる情報漏洩を防止することができます。
3. SEOに対するプラスの影響
Googleは、SSLを導入しているウェブサイトを優遇する傾向があります。
つまり、SSLを導入することで、検索エンジンでの上位表示が期待できます。これによって、ウェブサイトのアクセス数を増やせる可能性があります。
4. 信頼性の向上
SSLを導入することで、ウェブサイトの信頼性が向上するため、ユーザーは、SSLを導入しているウェブサイトを安心して利用することができます。
また、SSLの導入は、ウェブサイト運営者が情報セキュリティに対する意識が高いというアピールにもなります。
SSLの種類
SSLには、様々な種類があり、それぞれの種類には、適した用途や特長があります。
以下は、代表的なSSLの種類です。
- ドメイン認証SSL証明書
- 拡張認証SSL証明書
- ワイルドカードSSL証明書
- SAN(Subject Alternative Name)証明書
SSLを導入する際には、自分のウェブサイトの用途やニーズに合わせて、適した種類のSSL証明書を選択することが大切です。
ドメイン認証SSL証明書
ドメイン認証SSL証明書は、ウェブサイトのドメイン名の所有権を認証するSSL証明書です。
申請者がドメイン名の所有権を確認できることが条件となり、この種類のSSL証明書は、発行までの手続きが簡単で、費用も比較的安価なため、個人や中小企業などに向いています。
拡張認証SSL証明書
拡張認証SSL証明書は、ウェブサイトの運営者が法人であることや、身元確認書類の提出があるなど、より厳格な認証が必要とされるSSL証明書です。
発行までの手続きが煩雑で、費用も高いため、大企業や金融機関など、セキュリティに特に厳しい業種やサービスに向いています。
ワイルドカードSSL証明書
ワイルドカードSSL証明書は、1つのSSL証明書で、複数のサブドメインをカバーすることができるSSL証明書です。
例えば、example.com、www.example.com、blog.example.comなど、同じドメインに属する複数のサブドメインに対して、1つのSSL証明書で暗号化通信を行うことができます。
SAN(Subject Alternative Name)証明書
SAN証明書は、1つのSSL証明書で、複数のドメイン名をカバーすることができるSSL証明書です。
例えば、example.comとexample.net、またはwww.example.comとwww.example.netなど、複数のドメイン名に対して、1つのSSL証明書で暗号化通信を行うことができます。
SSL証明書を選ぶ際の注意点
各SSL証明書の期限なども異なるので、SSL証明書を選ぶ際には、次の点に注意してください。
- 証明書の発行元(認証局)
- 暗号化の強度
- クロスプラットフォーム対応
証明書の発行元(認証局)
SSL証明書を発行する認証局は複数ありますが、信頼性の高い認証局を選ぶことが重要です。
一般的に、主要な認証局から発行されたSSL証明書は信頼性が高いとされています。
暗号化の強度
SSL通信は、暗号化によってセキュリティを保護しています。その暗号化の強度は、SSL証明書によって異なります。
一般的には、256ビット以上の暗号化をサポートしているSSL証明書を選ぶことが推奨されています。
クロスプラットフォーム対応
ウェブサイトを閲覧するデバイスは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、様々な種類があります。
SSL証明書がクロスプラットフォームに対応していることで、どのデバイスからでも安全にアクセスできるようになります。
SSLになっているか確認する方法
ウェブサイトにアクセスした際に、アドレスバーの左端に「https://」と表示されていることで、SSL通信が行われていることがわかります。ただし、それだけではSSL証明書が正しく設定されているとは限りません。
正確に確認するためには、オンラインサービスの利用がおすすめです。
SSLが正しく設定されているかを確認するオンラインサービスはさまざまなものがありますが
「SSL Server Test」や「SSL Checker」は、手軽に確認できます。
ウェブサイトへアクセスしたら、確認したいサイトのURLを入力すれば、そのサイトでSSL証明書が正しく設定されているかの詳細が確認できます。
以上の方法を利用して、SSL証明書が正しく設定されているか確認してください。
SSL化する方法
ウェブサイトをSSL化する基本的な流れは以下のとおりです。
1. SSL証明書を取得する
SSL証明書を取得するためには、SSL証明書を提供する認証局(CA)から証明書を購入する必要があります。
また、ウェブホスティングサービスの一部には、SSL証明書を提供しているものもあります。
2. サーバーの設定を変更する
SSL証明書を取得したら、サーバーの設定を変更する必要があります。具体的には、ウェブサイトのドキュメントルートに証明書をインストールし、ウェブサーバーの設定を変更して、SSLを有効にする必要があります。
各ウェブサーバーの設定方法は異なるため、ウェブホスティングサービスのマニュアルや、ウェブサーバーのドキュメントを参照してください。
3. ウェブサイトのURLを変更する
SSL化した場合、URLが「https://」に変更されます。このため、ウェブサイト内のすべてのURLを変更する必要があります。
また、古いURLから新しいURLへのリダイレクトを設定することで、検索エンジンのクローラーが新しいURLを認識できるようにすることも重要です。
4. ウェブサイトのテストを実施する
ウェブサイトをSSL化したら、テストを実施して、正しく動作していることを確認します。
具体的には、サイト内のリンクが正しく動作しているか、フォームの送信や受信が正常に行われるか、ブラウザに警告メッセージが表示されないかなどを確認する必要があります。
以上が、ウェブサイトをSSL化する手順です。
現在契約しているサーバーによっては、ウェブサイトを簡単にSSL化できます。契約しているサーバーの管理画面にアクセスして、SSL化の申請をするだけです。詳しくは、現在契約しているサーバー側に確認してください。
ウェブサイトのセキュリティを強化し、ユーザーの個人情報を守るためにも、SSL化されていないサイトは、SSL化を検討してみてください。